次、目が覚めたトキ、
ただ真っ
白な世界に、オレ一人ぼっち。
『またこの夢か。』
オレの声は空気に振動を与え、
この
白い空間、どこまでも響いていくかのようやった。
よく見る夢やった。
どれだけ歩いても、辿りつかんくて、
どれだけ叫んでも、誰も居らん。
オレ以外、何も存在しいひん、
出口のない、一人ぼっちの世界。
夢から覚めるまで終わることのない、
孤 独 。
『弱ってるんかな、オレ。』
またオレの声だけが小さく響く。
誰に話しかけるわけでもない。
それでも、何か音がないと不安やった。
何もない世界。
誰も居ない世界。
夢やとわかってる。
いつかは終わりのある夢やとわかってても、
やっぱり、
孤独は恐い。
いつだってそう。
誰よりも、喋って、誰よりも、笑って、
そうでもしてないと、
白に飲み込まれてしまいそうやったから。
『強くなりたい。』
口に出したネガイは、あっさりと
白に溶けてしまう。
あの日からずっと思ってた。
一人でも生きられるように、
誰にも頼らずに生きていけるように、
そのために強くなりたいと、願った。
『お前は、弱い。』
どこからか声が聞こえる。
白がまた一層大きくなったように感じた。
オレは弱い。
誰よりも
孤独を恐がってる。
一人を恐れるのに、強さを求めてる。
そんな矛盾した自分が 嫌 い。
足元を見ると、オレの足は
白く染まっていた。
急に不安に駆り立てられる。
『このまま
白く染まったら、ずっと一人ぼっち?』
オレは勢いよく走り出した。
白から、逃げなあかん。
一人になる、一人になる、
孤独は嫌や。
どれだけ逃げても、
どこまでも続く
白。
『っ、たすけてっ!』
どれだけ叫んでも、誰も居らん。
やけど、
『っ・・・リ、ンっ!!』
無意識に叫んでいたのは、アイツの名前。
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