季節は変わって冬になった。
けど俺は何ひとつ変わらない。
変わったのはあの人だ。あの人の周りは変わり過ぎた。
だからあの人も変わるべきだと思ったのか。
仲間はそんなあの人を心配していたが、俺はぶっちゃけた話どうでもよかった。
都合さえ良ければそれでいいのだ。
今まで俺に命令していた人が 今では俺に敬語を使う―
■ ■■変わったのは■■ ■
ぴちゃぴちゃと水音をたてながらしゃぶられている俺のムスコは大分育ってきた。
俺は相変わらず偉そうに椅子に座り足を広げている。
その間に入り顔を埋めているのは、元上官のアノ人。
「もういい」
短くそう言い大佐(今は伍長なのだが、俺はとても言えない)の髪を掴み上げた。
左の前髪はもう開くことのない瞳を隠す為幾分長く、眼帯もつけているのでそこから表情は読み取れなかったが、もう片方の瞳が細まったのでその行為が痛かったのだとわかった。
「ハボック、少尉…。私、のを…」
ズボンを自ら脱いで向かい合う様に俺の膝上に座ってきた。
勿論俺も直ぐに受け入れたい位ぱんぱんに膨れているのだが、そう簡単には与えない。
待つのが好きなこの人のことだ、それ位じらさないと満足しない。
「そこで、一人でイって下さいよ」
ピタッと動きを止めてゆっくりと俺を見た大佐の表情はとても悲しそうで、俺を十分満足させた。
「ハボック少尉、どうし「そういえば大佐、あなた俺に命令するの好きでしたね。前からよく命令してた。
あなたの好きな鋼を上手いこと言って執務室まで行かせたり、鋼と一緒にいたいから
と俺に貴方の仕事を押し付けたり。
いえ、俺は別に構いませんでしたよ。それが上官からの命令でしたから。命令は絶対ですもんね。
…でもね。貴方は今、何でしたっけ?俺に命令することも、俺の言ったことも拒むことの出来る地位でした?」
何か言いた気に開いた大佐の唇を、言葉が発せられる前に自分のソレで塞いだ。
そして大佐の手を掴み無理矢理大佐のモノを触らせる。
仕方無しにといった表情で、大佐は手を動かし始めた。
始めは羞恥心からたどたどしかった手付きも、限界が近付くにつれ速さを増していく。
「ぁ、ア…ッ」
掠れた声が愛しい。反らした喉が愛しい。速くイヤラシク動く手が愛しい。
けれど、達した後の大佐は好きじゃない。
ぼんやりと遠くを見つめ、“あちら側”にいるらしい鋼を考えているからだ。
なんとか意識を自分に向けさせたくて、髪を掴む。
先程みたいな痛そうな表情ではなく、無表情。
そしてその無表情な顔で、大佐は俺の口の両端を指でクイと持ち上げた。
情事が終わった後の独特の味を早く消すため煙草を一本出す。
いつもならサッとマッチを出す大佐も、今は疲れて夢の中。
俺で中をいっぱいにし、幸せそうにぐっすり眠っている。
あんなに啼いたのだ、疲れるのも無理はない。
おまえとセックスした後は必ず幸せな夢を見るんだ
熟睡、俺をおいて夢のひとり旅。
きっと大佐の夢の中で俺は登場しない。
幸せという事は、鋼との再会とかだろう。
また俺の知らないところで、大佐と鋼は繋がっている。
ハボックからだが熱いんだ助けてくれお前が欲しいお前じゃないと駄目なんだ頼む来てください今すぐに
俺は一回抜いておく様に言って電話を切り立ち上がる。
大佐がいる部屋を考える。
ひとりで抜いている大佐を想像する。
鼻を衝く匂いを、荒い息を。
そして笑う、自分の愚かさに。
なんだ、結局は変わらないじゃないか。
鋼見たさに俺にすがり付いてくる大佐。
また鋼の事で俺を利用する。
変わったのは俺か?
前よりも強気な態度をとり、利用しているというつもりで利用されている。
わかっていて昨日も今日もそして明日も、こうして車に乗り北方に向かう俺は、結局は大佐の狗以外何物でもない。
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06.02.12